自己株取得の考え方
自己株取得
発行した株を買い戻す行為
発行時
10株発行、10人からそれぞれ10億円の出資を受ける。
1株=10億。
現金 100億 / 資本金 100億
その後の営業活動により、利益を10億を計上。
同額現金が増加。
貸借対照表
資産 負債
現金110億 なし
純資産
資本金100億
利益剰余金10億
株主の持ち分が100億から110億に増加。
株価は1株10億が11億に増加、価値が高まった。
これを買い戻す。自社株の取得。
2株買い戻す。
自社株式 22億 / 現金 22億
貸借対照表
資産 負債
現金 88億 なし
純資産
資本金100億
利益剰余金10億
自己株式 △22
このように、自社株を取得すると、
貸借対照表の純資産の金額が、
自己株式の取得額だけ控除されます。
このようにして自社株を市場から買い戻したりすると、
どのような効果があるでしょうか。
(効果1)流通株式数が減るので、株価が上がる。
(効果2)配当金とならぶ株主への利益還元策となる
(効果3)将来M&Aをするとき、企業買収の対価として使える。
(効果4)資本効率の向上※
※自己株式の取得が純資産の減少につながるため、
ROE(自己資本利益率)の計算式における
当期純利益/自己資本(おおむね純資産)のうち、
分母の自己資本が減り、全体としてROEが上昇する、
などの効果が期待される。
参考までに。
- 作者: ジャック・ワース,ニコラス・E・ルーベン,坂本希久子,神田昌典
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